ママインタビュー |#06.小島千恵美

スノーボードが初めて五輪種目になった98年長野オリンピックの前年、小島千恵美はジュニアワールドカップで日本人最高位となり注目された。期待を背負いながらも、その後に負った大怪我。それでも諦めずに歩み続けたプロ人生。2児の母となった今もスノーボードとサーフィンを続けている。彼女にとって、続けていくということにどんな秘訣があるのだろう。


"母親の自分が好きなことを続けていく秘訣は…(ありがとう)という思い。"

小島千恵美1

Q.2児の母でありながら、サーフィンもスノーボードも続けている小島千恵美。拠点は海にも山にも近くないのに、どうやってそのライフスタイルを続けているの?

これはもう、家族と旦那さんが私の旦那さんだから!もし、腰の重い旦那様だったりしたら出来なかったかもしれません。

産後復帰は、長男が12月に生まれたシーズンの春。

母になった最初の辛さとストレスが溜まっていた頃。私の滑りたいという気持ちを見かねて旦那さんがスノーボードへ連れて行ってくれたのが、ママになっての初滑りでした。

以前大きな怪我と手術で1年半以上自分の足で立てなかった後、初めて全荷重かけて両足で立てたときと同じ感覚でした。

水を得た魚気分でニヤニヤしながら「ヤッホー」って叫びました(笑)

その後はライフスタイルに合わせて、我が家はキャンピングカーを利用しました。これも旦那さんの提案でした。

子供が小さいから雪遊びもままならず、寒ければ外に出るのも無理。昼寝時間も長い。

小さな子供の負担を考えるとキャンピングカーはとても役に立ちました。

そして家族それぞれのことを考えたキャンピングカーは、家族の絆になりました。

母親の自分が好きなことを続けていく秘訣は…(ありがとう)という思い。相手を思いやることですかね。これしかないです。


"心の奥底ではスノーボードしたいと思っていることを、私自身が気づいていないのに旦那さんは見抜いていたんです。"

小島千恵美2
(C)ATSUO ITAKURA

Q.母になって、もうスノーボードとか続けていくの無理かなと思ったことはある?

そんなのいつも思いますよ!!!

だってほぼ自分の時間はないですもんね、お母さん達。

子供が保育園に行くようになって、段々自分の仕事も出来て、時間も出来てきました。とは言え母の休みは限られた少しの時間。

そんなのみんな一緒ですよね?

旦那さんにも「もう(スノーボード)出来ないよね」と言いました。

でも旦那さんは私の考えなんてお見通しで、いつでもその先のことを考えて助言してくれたんです。

心の奥底ではスノーボードを続けたいと思っていることを、私自身が気づいていないのに旦那さんは見抜いていたんですね。

だから、(もう出来ない)ではなく(続けていくためにはどうすればいいか)ということを助言してくれました。

心のSponsorですね!!

そして、子供達に「パパがいいーーー」と言わせて私の一人の時間を作ってくれたり、気持ちが楽になるような事を言ってくれます。

スポンサーにも「結婚したので」「子供できたので」「二人目ができたので」と何度話しに行ったことか(笑)

それでも私のスポンサーの殆どがこの環境を理解してくれ、長い間サポートしてくれていて感謝しています。

時代と環境にも恵まれています。

スノーボードブーム、ガールズDVDの盛り上がり、そして今度は家族で雪山!

その時の自分が活躍できる場所があることに感謝しています。

"スポーツでも何でも、いつ何が起こるかわからないから、子供たちには声を出して気をつけるようにと言っています。"

小島千恵美3

Q.自分自身が大怪我をしたことのあるスノーボード。息子たちにやらせることに抵抗を感じることはある?

私はあまり心配性じゃないんですが、周りに心配されると考えます。

スポーツでも何でも、いつ何が起こるかわからないので、子供たちには声を出して何度でも気をつけるようにと言っています。

自分でも危険なことは(これをやるなら気をつけてやろう)って、一呼吸置いてやってます。

危ないって思ったらスノーボードできないですよね(笑)、行けるって思ってやらないと。

子供達にはまず、自分がやってきた環境を一緒に見せてあげたいです。

そしていつか自分の意思でやりたいと言い出したときには、精一杯協力してあげたいですね。

今は道を広げているだけかなぁ?どの道を進むかは本人たち次第です。

この道(スノーボード)もあることを、教えている感じですね。

雪山連れて行ってもスキーをやるかもしれないし、除雪車作りたいって言うかもしれないし、海に行っていてもサーファーじゃなくて漁師や釣り師、イソメ屋さんになるかもしれないし(笑)

いろんなことに挑戦する一環として、せっかくなので私のやってきたスノーボードを見せてあげたいと思っています。


"「胸を張って出来る事」が、子供にとっても周りにとっても自分自身にとっても誇りであり、生き甲斐なのではないでしょうか?"

小島千恵美4

Q. 仕事と家事も子育て。そしてスノーボードやサーフィンもするって、その気力はどこから?

忙しいですよー!時間はみんな同じ24時間で、自分の時間なんて子供と離れてる時間のみ。

私にとって、スノーボードやサーフィンに行ける時間が疲れをとる時間なのかなと思っています。

私なんて普通ですよ(笑)もっともっと何かを頑張ってるママさん、沢山いると思います!それがスノーボードじゃなくても、趣味でも、子育てでも。

たぶん、「胸を張って出来る事」が、子供にとっても周りにとっても自分自身にとっても誇りであり、生き甲斐なのではないでしょうか?

私は他のママたちの私生活をFBや保育園で覗かせてもらう機会がありますが、逆に元気を貰います!

女性は特に、子供ができて環境が変わりそれに対応して行く…。

時間って、すごいですよね。

今の毎日を、24時間を大切に使いたいです。

プロフィール

小島千恵美プロフィール
(C)ATSUO ITAKURA

  • 小島千恵美(コジマチエミ 35歳  長男5歳・次男3歳)
  • スノーボード歴: 18年
  • 小柄な体からエネルギッシュなライディングを生み出す。滑りファッション共にボーイッシュなスタイルでパークからバックカントリーまでオールラウンドにこなすライダー。キャンピングカーなどを利用し家族と一緒に雪山と海を楽しみ続けている。
  • スポンサー: SCOOTER / SESSIONS / 55DSL / IS eyewear / Northwave / Drake / NEFF / FAMILY
  • more info:小島千恵美オフィシャルサイト