ママインタビュー |#05.古瀬美穂

雪山でカメラ機材とバックカントリー装備を背負い、写真を撮り続ける女性。
彼女は雪山から降りると保育園にいる双子の子供たちを迎えに行く。
雪山カメラマンというハードな仕事をしながらの子育て。その陰には一体どのようなライフスタイルと想いがあるのだろうか。


"単純にスノーボードが好きで、スノーボードを生業に出来るような仕事がしたい。"

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(C)Makoto Kuroda

Q.女性でありながら、雪山のカメラマン。ましてや母でもある美穂さん。今のライフスタイルを目指してきた思いを聞かせてください。

まだ20代でバリバリプロスノーボーダーを目指して頑張っていた頃にキッカーで大けがをして、約半年間のリハビリ後なんとかスノーボードが出来るまでに復活しました。

どちらかというと自分自身がパフォーマーというよりは、サポーターとしてスノーボードに関わっていく方がいいのではないかと考えるようになっていました。

単純にスノーボードが好きで、スノーボードを生業に出来るような仕事がしたいと思ったんです。

最初に紹介していただいたお仕事がライダーのインタビューとテープ起こしでした。

フリーランスでスノーボード専門誌の仕事に関わるうちに、自分が写真を撮って記事も書ければもっと現場で起こる様々なシーンを伝えられるのではないかと考え、独学で写真を学びカメラを持つようになりました。

スノーボードやスキーシーンをフォトグラファーという立ち位置で追っていくと、ゲレンデ内だけでは飽き足らず、どんどんバックカントリーや山岳地帯にまで入り込んでしまっています。

撮影にはライダーとのタイミングだけでなく、天気や雪質などの気象条件が絡んできますし、バックカントリーに入るためのギアとカメラ機材が入った重い荷物を長時間背負う体力も必要になります。

納得がいく作品を1枚撮るための道のりが長い。まだまだ発展途上なんです。

主人も雪に関わる職業に従事ているので、特に冬の間の子供との関わりについてはそれこそ試行錯誤。今のライフスタイルもまだまだ発展途上です。


"大変なのは、やっぱり子供たちが病気になったり具合が悪くなったりしたとき。"

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(C)Makoto Kuroda

Q.子育てしながらの雪山カメラマンはどんな生活をしているの?
母である自分がこの仕事をしていることでいい影響だと思えること、また大変だと感じることは?

もう保育園さまさまです。朝保育園に子供を送ってから雪山にあがり、撮影を終えて夕方お迎えに行く、というのが日課です。

天気が悪い時も、なるべくゲレンデで滑って筋力が衰えないように気をつけています。

土日やお休みのときは、なるべく子供たちと雪遊びをしたり、ゲレンデに出かけて一緒に滑ったりしています。

この仕事をしていると沢山の方々と出会い、繋がることが出来ています。

自分の影響なのかどうかは分かりませんが、子供たちもそうして出会った人たちと親しくなって、人見知りがあまりないことはとても嬉しいです。

今年の夏はニュージーランドで初めてのホームステイにも挑戦しました。

両親以外の人ともきちんとコミュニケーションが取れるようになってくれれば嬉しいです。

大変なのは、やっぱり子供たちが病気になったり具合が悪くなったりしたとき。

すでに仕事が入ってしまっていて一緒に居られないときなどは更に切ないですね。 なので仕事を引き受ける時は、両親のどちらかが一緒に居てあげられるようにスケジュールを調整します。

ただ、ハイシーズンの週末などは主人と予定がかぶってしまうことも多く、そういう時は義母や近所の親しい家族に協力してもらっています。


"可能性が続くかぎり、チャレンジし続けたい"

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(C)Makoto Kuroda

Q.子供ができてから、そしてこれから子供を育てていく中で、この仕事は続けていきたいと思っている?

A. 正直なところ、何度も何度も辞めようかと思った出来事がありました。

ですが、どんな仕事をしていても、辛いことや嫌になることはあるハズで、だったら自分の好きなことが仕事に出来ているなんて最高じゃないか!と、今は思うようになりました。

自然との調和と、人との調和のどちらかが崩れても成り立たない仕事です。

自分の気持ち一つではもしかしたら続けていけない状況になるかもしれません。

ですが、可能性が続くかぎり、チャレンジし続けたいと思っています。


"何かに興味を持ったら、まず迷わずにチャレンジしてみること!"

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Q. 最後に、見ているママたちへ、何かアドバイスや一言、伝えたいことがあったら是非お願いします。

A. 何かに興味を持ったら、まず迷わずにチャレンジしてみること!

まず第一歩を踏み出すことが肝心です。失敗したら、またやり直せばいい。

写真に関しては、失敗したと思った写真を数年経ってみたら(見方が変わった?)案外良かったりして。

少しずつ続けていたら、必ず成長しますよ。

その最大の秘訣は、「自分自身が楽しむこと」だと思います。


プロフィール

古瀬美穂プロフィール
(C)Makoto Kuroda

  • 古瀬美穂(ふるせみほ)(42歳 長女4歳・長男4歳)

  • スノーボード歴: 20年
  • 短大在学中、単身アメリカ横断を機に新たな感動を求めて旅を重ね、出会った様々なライフスタイルの撮影に没頭する。96年から滞在したウィスラー/カナダでスノーカルチャーの一遍に触れ、その後の活動をスノーシーンに傾倒。98年より、スキー&スノーボード専門誌、メーカーカタログなどへ作品を提供する傍ら、ブライダルや家族写真など異業種の撮影にも尽力している。02年に長野県白馬村に移住し、自然と人との関わりをテーマにした作品を制作し、合同写真展や個展などでも発表している。
  • スポンサー: Haglofs、F-Stop、白馬観光開発(株)、ホテルグリーンプラザ白馬
  • 主な経歴や作品: '14年 人気作家 東野圭吾さんの100万部越えの超大作「疾風ロンド」の内表紙に作品が採用される
  • more info:アメブロ 写真家 古瀬美穂  アメブロ 写真撮影オフィス イメージクリエイト あ・うん