ママインタビュー |#02.吉田裕子&橋本通代

吉田裕子は90年代後半、バックカントリーで数々の写真を残し女の子スノーボーダーの枠を打ち破ってきた。
橋本通代は誰よりも高いエアーで、ソルトレイクオリンピックハーフパイプへ出場しファイナリストとなった。
引退後、彼女たちは子育てをしながらどのようにスノーボードをライフスタイルに取り入れてきたのか。


吉田裕子インタビュー

"それでも山にいくのは意味がある 価値がある "

吉田裕子

Q.母になってからスノーボードに対する気持ちの変化はある?

我が家は息子達を誰かにお願いするというSTYLEはなるべく無い方向で子育てをしているので、長男が1人で滑れるようになってからやっと頻繁に滑りに行けるようになりました。
おんぶ&タンデムでの三人滑りを沢山やって、「風が気持ちいいね〜!」「壁行くよ!」「いえーい!」と息子達とお喋りしながら滑る究極の楽しさを経験しました。
(タンデム時にはデッキパットをつけて滑りを防止し、できるだけ自分の力で立つようにさせます。また、加重抜重なども常に声がけしています。)

今もまだ息子達ペースなので、自分の滑りたいように滑ったり攻めたりできていないけど、次男が短時間ならママと離れられる様になったので、パイプに入ったりキッカーで回ったり出来る様になってきました。
プロ時代は、『これで死んでも本望』という気持ちで毎日攻めてたけれど、母になったら『絶対、死にたくない!怪我もしたくない!!』と思っています(笑)。

育児で寝不足のママ達。まずは時間を作ってでも、寝て下さい。
ママになって「ホント、ママって凄い!!」っていつも思います。
命を育てるって凄い事!
日々の子育ても大変なのに、更に子供達の準備をして山に行くのはなかなか容易でないことをママになり知りました。
それでも山にいくのは意味がある。価値がある。毎回行く度に思います。

いつか息子達とセッションしたいから、キッカー上で「ママが先行く?どーする?」的な会話が出来る事を楽しみに、これからも滑り続けます!


"子供達に、親の影響を越えて体験できる空間を提供してあげたい"

吉田裕子 ヨコノリ大学

Q.ヨコノリ大学というコミュニティーを作っていますが、これって何?

Snow Skate Surf を愛する人が、それぞれの立場を超えて繋がれる。
そしてヨコノリをやってみたい、楽しみたいという人が誰でも入れるような、ピラミッドの底辺的な場所になりたいと思って活動しています。

Snowではイベント当日も積極的に声がけして参加を促し、スノーボードの楽しさをより知って貰っています。

Skateでは、地域のお祭りで誰でも参加できるような体験型イベントをしたり、小学校でスケートボードの授業をやらせて頂いたりしています。

魅せる、伝える、という意識の対象が、ママになってからの方がグッと広がりました。
ママになって、今まで接点の無かった様な方々とも知り合えてお友達になれて、そして我が家と知り合う事によりヨコノリに興味を持ち始めてくれる人達もいる。
プロ時代には見えていなかった部分も沢山見えてきています。

山でも、街でも、海でも、ヨコノリ以外の目的できた人達にも、気軽にヨコノリを体験し楽しさを感じて貰える場所作りができたらいいなぁと思ってます。
子供には親の影響を越えて体験できる空間を提供してあげたいですね。


橋本道代インタビュー
"スノーボードは魔法の教材"

橋本通代 

Q.現役選手だった頃と、母としてスノーボーダーである今。どう違う?

私は出産後2カ月でスノーボードに復帰し、雪の匂いの中雪の上に立てた時すごくほっとしたのを覚えています。

プロの時は“人に魅せる滑りをして人の心を動かす”ために全ての時間を使っていたのでスノーボードは戦友のように感じていたけれど、今は戦友でもあり魔法の教材になりました。

子どもも大人もスノーボードに乗った瞬間に“目がキラキラ”するのを見るのが一番好きです!

昨年雑誌の企画で初めて自分の子どもと一緒にスノーボードをして、新しい発見が沢山ありました。
通常のレッスンのようにはいかず、腹が立ち何度心の中で握りこぶしを握ったことか(苦笑)
でも、おかげで自分の子どもを穴が開くほど見つめました。
褒められた時の嬉しい顔、出来なかった時の悔しい顔、チャレンジする必死な顔、今まで見れなかった顔が沢山見れて、感動も想像以上でした。

今後はプライベートでもファミスノ時間を作っていこうと思っています。


"キッズスノーボーダーによりよい環境を作りたい"

橋本通代 KIRARAKAMP

Q.運営しているキララキャンプってどんなもの?

キララキャンプは、2003年にはじめた子ども対象の宿泊型スノーボード教室です。
オリンピックに出場後、心も体もリセットした状態で次に見た夢が“スノーボードを通じてキラキラと輝く子どもを育てること”でした。
それからずっとその1点を見つめて、2007年からは旦那さんとも一緒に活動をしています。

スノーボードは、フリースタイルなところとバランスが大好き。
人は一人一人みんな違う。
個性があるのをCOOLとするスノーボードだから、自分を見つめるきっかけにもなる。
乗っただけでなんかワクワク楽しくなり、自然の中でガンガンスピード出せるんだから、スノーボードは心と体に最高にいいと思います。

今は“スノーボード育”に夢中です。是非みんなでファミスノしましょう!!



プロフィール

  • 吉田裕子(よしだゆうこ)(39歳 長男7才次男4才)

  • スノーボード歴:20年

  • JSBAプロ資格取得後、オリジナルなスタイルを求めBCを中心にシューティング活動に拠点を置く。特に、自然の地形で技術と経験を求められる、クリフエアーにこだわりを持ち数々の作品を残す。
    また日本初女性ライダーとしてのシグネチャーモデルを7年間リリースし続け、またそれらのグラフィクデザインも自身で手がけた。
    フェイスブックから発信され広がっているコミュニティー『ヨコノリ大学』学長の妻として、イベント等でも活躍している。
  • more info:ヨコノリ大学 公式サイトヨコノリ大学 facebook 

  • 橋本通代(はしもとみちよ)(42歳 長女6才長男3才)

  • スノーボード歴:17年

  • キッズスノーボーダーの普及から選手育成まで活動するキララキャンプを運営。軽井沢にオープンしたキララカフェ&レンタルでは、未就学児のワンコインレンタルも実施しています。是非お気軽にお試しください!
  • 主な戦歴:01年NIPPON OPEN3位・02年ソルトレイクシティオリンピック出場12位(ファイナリスト)・05年NIPPON OPEN 5位
  • more info:KIRARA KAMP 公式サイトKIRARA Cafe&Rental